①ストレスとは?

【ストレス反応の3段階】

ストレスというと何を思い浮かべるだろうか。

通学や通勤時の満員電車だろうか。

それとも職場やアルバイト先で叱られたりすることだろうか。

1930年代にストレス学説を唱えたセリエによると、生き物は様々なストレス要因(ストレッサー)にさらされたとき、その種類にはあまり関係なく同じような反応を示すとされる。

これをストレス反応という。

ストレッサーには、暑さや寒さのような物理的な要因や、病気、人間関係など様々なものがある。

ストレッサーに対する生体の反応は3つの段階で変化する。

第1段階はストレスに対してビックリして抵抗力が低下するが、そのあとすぐにストレッサーに対抗するかのように、体温や血圧の上昇が起こる段階である(警告反応期)。

こうしている間にストレッサーがなくなったりストレッサーから逃げるように行動できればよいのだが、ストレスがかかり続けると、これが第2段階である(抵抗期)。

されにストレスがかかり続けると、とうとう過剰なストレスに耐えられなくなり、色々な身体症状が出てくる。

そのような症状には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、自律神経失調症などがある。

ときとして死に至ることもある。

これが第3段階である(疲労期)。


【ストレスと心理的要因】

ストレスに対する身体的反応には、心理的要因も大きなかかわりがある。逆説的だが、ストレスに対してじたばたしないことがストレス反応を軽減するという可能性を示唆する、次のような実験がある。

2匹のサルに対して、ストレッサーとして電気ショックを与えた。

一方のサルには2匹のショックを同時に止められるスイッチを与え(ストレスをコントロールできる)、もう一方にはそのスイッチを与えずにおく(ストレスに抵抗できない)。

同じ電気ショックを受けながらも、スイッチを持っている方は胃潰瘍になってしまったが、もう一方は概ね健康であった。

これは、なまじ中途半端に対処法を与えられたために常に警戒していなくてはならず、そのことが電気ショックよりもよほど大きなストレスになったのではないかと考えられる。

ときに受け入れる有効なストレス対処法なのである。


※豆知識:現代社会のストレスは、人に長期にわたってストレス反応を持続させやすい。
     そのため動物などと異なり、人のストレス反応は生き残りの役に立つよりも身体を損ねる方向に動くのである。